対象読者
- 次世代シーケンシング(NGS)やマルチオミクスの技術に関心がある研究者・科学者の方。
- Element Biosciencesの創業、技術開発、製品戦略、資金調達、組織の成長について知りたい方。
- ライフサイエンス機器産業における技術革新、事業化、競争戦略に興味がある方。
要約
- Element Biosciencesは、IlluminaやPacBioでの経験を持つ研究者らが2017年に設立した、米国のゲノム解析機器メーカーです。
- 独自のAvidity Sequencing技術を開発し、2022年にベンチトップNGS装置「AVITI」を商用化しました。
- 2024年以降は、AVITI24などを通じて、DNA・RNAのシーケンシングから細胞形態、タンパク質発現などを統合するマルチオミクス解析へと事業を拡張しています。
- その成長過程では、多額の研究開発投資、Illuminaの巨大な既存顧客基盤、顧客の乗り換え障壁、特許紛争などの課題に直面し、製品開発と営業戦略の両面で対応してきました。
- 2026年には高スループットNGS、シングルセル解析、臨床診断へと製品群を拡大しています。一方、継続的な収益性や知財リスクへの対応については、今後も注視する必要があります。
1. Element Biosciencesとはどのような企業か
Element Biosciencesは、2017年7月に米国カリフォルニア州サンディエゴで設立されたゲノム解析機器メーカーです。
共同創業者はMolly He、Michael Previte、Matthew Kellingerの3名です。2022年には、独自のAvidity Sequencing技術を搭載した次世代シーケンサー「AVITI」を商用化しました。[1][2]
当初は、Illuminaが圧倒的な市場シェアを持つショートリードNGS市場への新規参入企業でした。しかし、2024年以降はDNAシーケンシングにとどまらず、シングルセル・マルチオミクス、細胞イメージング、創薬研究、臨床検査向けプラットフォームへと事業を広げています。[2]
この企業の歴史で特に重要なのは、「低価格で高精度なシーケンサーをつくる」という出発点から、「シーケンス、細胞形態、タンパク質発現などを統合する生物学的解析プラットフォームをつくる」という方向に事業が発展していることです。
その変遷は、大きく5つの段階に分けられます。
| 時期 | 主な展開 | 事業的な意味 |
|---|---|---|
| 2017〜2021年 | 独自NGS技術の研究開発と大型資金調達 | Illuminaとは異なるシーケンシングケミストリーを開発し、装置・試薬・画像処理・情報解析を統合 |
| 2022〜2023年 | AVITIの商用化とNGS市場への参入 | 高精度・低ランニングコスト・柔軟な運用を訴求し、2023年には200ドル・ゲノムを発表 |
| 2024年 | マルチオミクス企業への転換 | AVITI24、Teton、Trinity、Cloudbreak UltraQなどを発表し、DNA配列読取以外の解析機能を拡張 |
| 2025年 | 顧客層の拡大と用途特化 | 創薬・製薬・臨床研究向けの展開を進め、AVITI24の設置台数が拡大 |
| 2026年 | 高スループットNGS・臨床診断・統合細胞解析への拡張 | VITARI、Cytos、AVITI Dxを投入・発表し、Samsungから追加出資を受ける |
この間、同社はベンチャーキャピタルから成長投資家、さらに戦略投資家へと資金調達先を広げてきました。
2024年7月時点の累計調達額は6億8,000万ドル超です。2026年にはSamsungによる1億7,500万ドルの追加出資と、他投資家からの出資を受けています。これらを単純に加えると、累計調達額は少なくとも8億5,500万ドル超になります。ただし、未公表ラウンドや各データベースの集計基準によって数字に差があります。[2][9]
2023年の売上高は、会社発表によれば2,500万ドルを超えています。[8]
以下では、この企業がどのように生まれ、技術を開発し、事業を拡大してきたのかを詳しく見ていきます。
2. 創業の経緯:なぜIllumina出身者が新しいNGS企業をつくったのか
2-1. 始まりは2017年、UC San Diegoの図書館での議論
Element Biosciencesの創業には、興味深い経緯があります。
2017年当時、共同創業者のMichael PreviteとMatthew Kellingerは、NGS市場をリードするIlluminaを離れ、新しいライフサイエンス企業の設立を検討していました。
2人がMolly Heに相談したことが、現在のElement Biosciencesにつながるきっかけです。
当初の構想は、シーケンサーそのものを開発することではありませんでした。むしろ、ライフサイエンス向けの新規試薬を開発する、比較的小規模な事業を考えていたと報じられています。
「4-nomics」というドメイン名も取得していました。
ところが、UC San Diegoの図書館で議論を繰り返すうちに、事業構想が大型化していきます。
試薬単体を開発するよりも、シーケンサーの化学反応、検出、装置、ソフトウェアをすべて再設計した方が、研究のあり方を大きく変えられると考えるようになったのです。
こうして2017年7月、3人はElement Biosciencesを設立しました。[1][3]
2-2. 創業者3人の組み合わせ
Elementの創業者は、それぞれ異なる強みを持っています。
Molly He — 共同創業者・CEO
Molly Heは、UCLAでタンパク質生物物理学の博士号を取得しました。
その後、Pacific Biosciences(PacBio)でSMRT Sequencing向けタンパク質試薬を担当し、Illuminaでは試薬研究開発のシニアディレクターを務めました。
さらに、Foresite CapitalのVenture Partnerとなり、投資業界も経験しています。
Elementでは、技術への深い理解と資金調達、人材・組織構築をつなぐ役割を担っています。[3]
Michael(Mike)Previte — 共同創業者・CTO
Michael PreviteはIllumina出身であり、シーケンスプラットフォームの研究開発をリードしてきた技術系創業者です。
2026年現在は、CTO兼SVP of Advanced Researchを務めています。[2]
Matthew(Matt)Kellinger — 共同創業者
Matthew KellingerもIllumina出身の生化学・シーケンシング技術研究者です。
2023年に発表されたAvidity Sequencingの技術論文でも、主要著者の一人となっています。
創業時には生化学研究開発を中心に担当し、2026年現在はSVP of Product Strategyへと役割を広げています。[2][4]
この3人の組み合わせには、創業時点から重要な強みがありました。
- シーケンシングの生化学・装置開発について深い実務経験があったこと。
- IlluminaとPacBioという、異なるシーケンシング技術の開発経験があったこと。
- Molly HeがVC業界での経験と投資家ネットワークを持っていたこと。
通常、NGS装置をゼロから開発するには、装置開発費だけでなく、化学系の発明、量産工程、試薬供給網、データ解析などに多額の先行投資が必要です。
Elementの創業者たちは、こうした技術的・資本的な難しさを理解した上で、比較的大きな資金調達を伴う事業構想を最初から選んだと考えられます。
2-3. 彼らが解こうとした問題
創業時の中心的な課題認識は、単純に「シーケンス価格が高い」というだけではありませんでした。
当時の研究室には、NGSの利用に関して複数の障壁がありました。
| 課題 | Elementが目指した解決 |
|---|---|
| 装置の導入・運用コスト | 低価格で高品質なベンチトップ装置 |
| Core Facilityへの依存 | 個々の研究室でのオンデマンド解析 |
| サンプルのバッチ処理や順番待ち | 必要なときに少量から実験できる柔軟性 |
| 高精度解析に伴う試薬コスト | 新しいシーケンシングケミストリー |
| 既存装置・ワークフローへの依存 | 装置・試薬・情報解析の一体的な再設計 |
このうち、事業思想として特に重要だったのが、中央集約型のシーケンシングから、分散型・ラボ内シーケンシングへの移行です。
大規模なCore Facilityにサンプルを送り、一定量が集まってから解析するのではなく、研究室自身が必要なときにシーケンシングを行える環境をつくるという構想です。
この方針は、2022年のAVITIローンチ時の取材でも明確に説明されています。[1]
3. 技術的な突破口:Avidity Sequencingは何を変えたのか
Elementを理解する上で最も重要な技術的イノベーションは、独自のSequencing by Avidityです。
2023年5月、同社は技術の詳細と評価結果をNature Biotechnologyに発表しました。[4]
主要論文
Arslan et al., "Sequencing by avidity enables high accuracy with low reagent consumption," Nature Biotechnology(2023).
https://www.nature.com/articles/s41587-023-01750-7
3-1. 従来のIllumina SBSとの違い
Illuminaの代表的なSequencing by Synthesis(SBS)では、修飾ヌクレオチドを取り込ませ、その蛍光標識から塩基を識別します。
一方、ElementのAvidity Sequencingでは、塩基を1つ進める反応と、塩基を識別する反応を分離しています。
従来型SBSでは、標識付きヌクレオチドの取り込みと蛍光検出が連動しています。
これに対してAvidity Sequencingでは、塩基の検出を多価結合によって行い、DNA鎖を1塩基伸長させる反応は別工程で実施します。
Avidity Sequencingの1サイクルを簡略化すると、次のようになります。
-
DNAクローンの形成
フローセル上にクローン増幅したDNA分子群(polony)を形成します。 -
Aviditeによる塩基認識
複数の同種ヌクレオチドリガンドと蛍光色素を含む多価分子「avidite」を、ポリメラーゼを介して相補的に結合させます。 -
蛍光検出による塩基判定
蛍光を撮像して塩基を判定します。Avidite自体はDNA鎖に取り込まれません。 -
伸長と次サイクルへの移行
Aviditeを除去した後、別の反応で非標識のヌクレオチドを1塩基取り込み、次のサイクルに進みます。
この技術の中心にあるのは、複数の結合相互作用によって分子全体の結合を安定化する「avidity効果」です。
Aviditeは多価結合によって安定した塩基認識を実現するため、単価の標識ヌクレオチドに比べて、検出に必要な標識試薬の濃度を下げられます。
3-2. 何が技術的に優れていたのか
2023年のNature Biotechnology論文では、主に以下の結果が報告されています。[4]
- 標識用ヌクレオチドの必要濃度を、μMオーダーからnMオーダーへ低減しました。
- 塩基コールの96.2%がQ30以上、85.4%がQ40以上の平均精度水準を達成しました。
- Homopolymer通過後もエラー率が比較的安定していました。
- HG002を用いた評価で、SNP F1スコア0.9958、small indel F1スコア0.9954を報告しました。
これらは掲載論文における評価結果であり、あらゆる条件・アプリケーションで他社製品を上回ることを意味するものではありません。
ただし、シーケンシングの化学反応そのものを設計し直すことで、高精度化と試薬消費量の削減を両立できる可能性を示した点は重要です。
3-3. 事業への意味
この技術の重要性は、単にQ40という高い精度が達成できることではありません。
標識試薬の消費と塩基伸長の反応条件を独立に最適化できることが、開発と製造コストの両面で意味を持っています。
この技術的な自由度は、その後のCloudbreak、UltraQなどのケミストリー改良や、高スループット製品への展開を可能にする基盤になったと解釈できます。
また、発明がDNAシーケンシングの基礎反応系にある点も重要です。
Elementは、他社の試薬を単純に調達して価格競争する企業ではありません。独自の基盤技術を持ち、それを装置・試薬・ソフトウェアへと展開する企業として、技術的なポジションを獲得しました。
4. 商品・サービスの変遷:単一シーケンサーから解析エコシステムへ
Elementの製品展開は、NGS装置からマルチオミクス、さらに高スループット・臨床診断へと拡大してきました。[2]
主要製品の変遷を整理すると、次のようになります。
| 製品 | 発表・発売時期 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| AVITI | 2022年発売 | 独自のAvidity Sequencingを搭載したベンチトップNGS装置 |
| AVITI24 | 2024年発表、同年12月出荷開始 | DNA・RNA解析に加えて、タンパク質、リン酸化タンパク質、細胞形態の統合解析へ拡張 |
| VITARI | 2026年2月発表 | 高スループットNGS。ゲノム当たり100ドルという価格水準を訴求 |
| Cytos | 2026年10月初出荷 | CRISPRガイドRNA、細胞形態、タンパク質発現、全トランスクリプトームを同一細胞から取得するAVITI24用ワークフロー |
| AVITI Dx | 2026年10月商用化 | EU IVDRに対応する初のIVDプラットフォーム。欧州10か国で提供開始 |
VITARIについては、2026年2月の発表時点で、2026年後半からの出荷が計画されていました。
4-1. 2022〜2023年:AVITIの性能とコストを競争力に変える
AVITI発表後、Elementはケミストリーだけでなく、製品の経済性・操作性を改善する方向に開発を進めました。
| 時期 | 取り組み | 事業的な意味 |
|---|---|---|
| 2022年3月 | AVITI発表 | NGS装置市場への参入 |
| 2022年6月 | 顧客出荷開始 | 開発から商用製品への移行 |
| 2022年8月 | 試薬価格保証 | 導入後の費用上昇への不安を軽減 |
| 2023年1月 | 200ドル・ゲノム発表 | Sequencing economicsの訴求 |
| 2023年 | Cloudbreakケミストリー | 速度・ワークフロー・品質の改善 |
| 2023年4月 | グローバル販売代理店契約 | 直接販売に加え海外市場を開拓 |
特に注目されたのが、2023年1月に発表された200ドル・ゲノムです。[2]
ただし、この200ドルという数字は、所定のスループットベースの購入モデルにおけるシーケンシング費用の訴求値です。
サンプル調製、データ解析、装置償却、人件費など、あらゆる費用を含めたゲノム解析の総原価とは区別する必要があります。
また、シーケンシング装置では、単なるラン当たりの価格だけでなく、サンプル数、必要なデータ量、稼働率などが実際のコストを左右します。
この意味で、Elementが価格と同時に柔軟な運用を重視したことには、明確な事業上の意味がありました。
4-2. 2024年:ユーザーの実験ワークフローそのものに進出
2024年は、Elementの戦略が大きく変化した年です。
この年、同社は複数の製品・ケミストリー・ワークフローを発表しました。[2]
Cloudbreak UltraQ
Q50レベルの高精度シーケンシングを訴求するケミストリーです。
Cloudbreak Freestyle
対応ワークフローの柔軟性を拡大する取り組みです。
Trinity
ターゲットキャプチャの一部工程を装置上へ移し、エクソーム解析の手間や時間を削減する技術です。
Expert Mode HD
条件に応じてリード収量を増やす装置運転オプションです。
AVITI24 / Teton
細胞の複数の性質を統合的に観察する、新しい解析分野への拡張です。
特にTrinityでは、IDTやTwist Bioscienceのエクソーム用ターゲティング製品を取り込んでいます。
これはElementが自社開発だけに依存するのではなく、周辺企業との互換性や協業も利用しながらワークフローを拡張していることを示しています。
4-3. AVITI24の意義:核酸の解析から細胞の表現型へ
AVITI24は、単にAVITIの読み取り能力を高めた装置ではありません。
従来、細胞形態の画像解析、遺伝子発現解析、タンパク質解析、リン酸化タンパク質測定は、異なる計測系・試薬系で行われることが多くありました。
そのため、同一細胞の情報を完全に結び付けることには限界がありました。
Elementは、TetonとDirect In Sample Sequencing(DISS)を含む技術基盤を通じて、この分断の解消を目指しています。
研究開発上の価値は、例えば薬剤処理やCRISPR perturbationを受けた細胞について、遺伝子発現変化だけでなく、タンパク質・細胞形態・表現型の関係まで一体的に調べられる点にあります。
2026年10月に出荷が始まったCytosは、この方向をさらに進めたものです。
Cytosでは、CRISPRガイドRNA、細胞形態、タンパク質発現、全トランスクリプトームを同一細胞から取得することを目指しています。
gRNAと細胞の表現型情報が同じ細胞で紐づくため、pooled genetic screeningや表現型創薬に活用できると考えられます。
もっとも、測定対象の網羅性、感度、処理可能な細胞数、コスト、他方式との比較については、個別に検証する必要があります。
この製品群の登場は、Elementがシーケンシングを目的そのものとして扱うのではなく、複雑な生物学的情報を取得するための手段として再定義し始めたことを示しています。
5. 資本政策の変遷:なぜこれほど大規模な調達が可能だったのか
Elementは、典型的な小規模バイオテックのように、研究成果をライセンスアウトして収益化するモデルではありません。
装置、化学系、製造工程、ソフトウェア、販売網を自ら開発し、試薬・消耗品販売を伴う装置ビジネスを構築するモデルです。
したがって、商用化までに大きな資本が必要でした。
5-1. 資金調達の履歴
公表・報道されている主要ラウンドを整理すると、次のようになります。[3][9]
| 時期 | ラウンド | 調達額 | 主要投資家・用途 |
|---|---|---|---|
| 2017年 | Seed | 約500万ドル | 創業初期のラボ開設、研究開発 |
| 2019年 | Series A | 1,500万ドル | Foresite Capital、Venrock。基礎ケミストリーの概念実証から試作機開発へ |
| 2020年 | Series B | 約8,030万ドル | Fidelity、JS Capital、既存投資家。装置開発と製造プロセス確立 |
| 2020年 | 追加調達 | 約3,000万ドル | RA Capital、Alexandria Venture Investmentsなど |
| 2021年 | Series C | 2億7,600万ドル | 機関投資家を追加。製品商用化に向けた大規模投資 |
| 2024年 | Series D | 2億7,700万ドル超 | Wellington Management主導、Samsung等。NGSとマルチオミクスの事業拡大 |
| 2026年 | Series E | 1億7,500万ドル+非公表額 | Samsungおよび他投資家。グローバル展開、VITARI、臨床・マルチオミクス事業 |
Series A・Bの年次については、資金調達の準備時期を扱ったInc.の記事と正式発表日にずれがあるため、ここでは正式発表を優先しています。
各調達額は概数です。
5-2. 第1段階:2017〜2020年 — 技術リスクを引き受けるVC
創業初期の資金調達では、Foresite CapitalやVenrockが中心的な役割を果たしました。
注目すべきは、Foresite CapitalとMolly Heの関係です。
Heは過去に同社のVenture Partnerを務めており、シーケンシング技術と投資の両方を理解していました。
また、VenrockのBryan Robertsは、かつてIlluminaの初期投資家だった人物です。
つまりElementは、競合技術の難しさだけでなく、NGS事業を成長させる際の資本・市場構造まで経験した人々から支援を受けていました。[3]
これは、研究開発から装置の商用化までに長い時間と多額の資金を必要とする事業にとって、大きな意味を持っていたと考えられます。
5-3. 第2段階:2021〜2024年 — 成長投資家・機関投資家の参加
Series Cでは、T. Rowe Price、Morgan Stanley関連ファンド、Janus Henderson、Meritechなどが参加しました。
この段階では、基礎技術の研究開発だけでなく、商用製品として市場で成立するかが重要になります。
2024年にはWellington ManagementがSeries Dを主導し、Samsungも出資しました。
資金用途は、グローバルな顧客基盤の拡大と、DNAシーケンシング・マルチオミクス製品の商用化でした。[2]
資金提供者が、初期技術リスクを引き受けるVCから、事業の成長性を評価する機関投資家へと広がったことが分かります。
5-4. 第3段階:2026年 — 戦略投資家による事業領域拡張の支援
2026年6月、Samsung Electronicsが1億7,500万ドルを追加投資しました。[9]
Samsungは、ElementのNGS、マルチオミクス、臨床応用を、精密医療における重要な技術基盤として評価しています。
この出資から、Elementが単なるNGS装置メーカーではなく、より幅広いライフサイエンス・精密医療関連のプラットフォーム企業として評価され始めていることが読み取れます。
ただし、Samsungとの具体的な共同開発範囲や商業契約条件は、この発表からは確認できません。
6. 人的変遷:研究開発企業からグローバル製品企業へ
6-1. 従業員数の変化
設立当初は共同創業者3人でスタートしたElementですが、2026年には外部推計で450人程度の規模に成長しています。
Revelio Labsによる従業員数の推計は、次のようになっています。
| 時点 | 推計従業員数 |
|---|---|
| 2023年 | 347人 |
| 2024年 | 425人 |
| 2025年 | 449人 |
| 2026年第1四半期 | 458人 |
これらは会社の公式確定人数ではなく、外部データに基づく推計です。
また、2024年の創業者インタビューでは約320人と報告されており、集計時点や対象の違いには注意が必要です。
組織の変化として重要なのは、人数そのものよりも、成長段階によって必要な能力が変わってきたことです。
| 時期 | 組織に求められた能力 |
|---|---|
| 2017〜2020年 | 生化学、ポリメラーゼ、光学、機械設計、ソフトウェア |
| 2021〜2022年 | 製造、品質保証、サプライチェーン、フィールドサポート |
| 2022〜2024年 | グローバル営業、アプリケーションサポート、KOL・顧客開拓 |
| 2024〜2025年 | シングルセル・マルチオミクス、製薬企業向けアプリケーション開発 |
| 2025〜2026年 | 臨床品質管理、診断関連規制、製薬・創薬分野の事業開発 |
この表は、公開された製品・組織情報からの整理であり、部門別人数や実際の採用内訳を復元したものではありません。
6-2. 経営陣と取締役会の変化
2026年現在も、3人の創業者は主要な経営ポストにいます。
公開されている主要経営陣は、次のとおりです。[2]
| 人物 | 2026年の役職 |
|---|---|
| Molly He | CEO、共同創業者、取締役 |
| Michael Previte | CTO、SVP of Advanced Research |
| Matthew Kellinger | SVP of Product Strategy |
| Logan Zinser | CFO |
| Danae Van Oene | SVP, Global Commercial |
| Jeff Labbadia | Chief Supply Chain Officer |
| Yaron Hakak | SVP, Corporate and Business Development |
この経営陣の構成からは、基盤技術を創業者が保持しつつ、商業化、サプライチェーン、資金調達、企業間連携を専門の幹部が担う体制へと発展していることが分かります。
さらに、取締役会の専門性も変化しています。
2025年5月
臨床分子遺伝学の専門家で、RevvityのCSOであるMadhuri Hegdeが取締役に就任しました。
2026年8月
Pfizerで研究開発を率いたMikael Dolstenが取締役に就任しました。
この2件は特に示唆的です。
臨床ゲノミクスの実装と、製薬企業の創薬研究・開発への応用を、取締役会レベルで強化していると解釈できます。
6-3. M&Aによる技術・人材獲得
Elementは、すべての技術を自社内で開発してきたわけではありません。
2022年2月には、Loop Genomicsを買収しました。
Loop Genomicsは、ショートリードシーケンサーを使ってlong-range情報を取得するsynthetic long-read技術を開発していた企業です。
この買収によってElementは、AVITIの高精度ショートリードを基礎にしながら、ハプロタイプ、免疫レパトア、微生物群集など、より長い分子情報を必要とする解析領域も狙えるようになりました。
買収に伴い、Loop Genomicsの創業者Tuval Ben-Yehezkelが、ElementのSenior Director, Applicationsに就任したことも公表されています。
買収金額は非公表です。
7. Elementが直面してきた課題と、その対応
Elementの歴史は、技術的な成功が必ずしも事業上の成功を意味しないことを示しています。
特に重要なのは、顧客採用の障壁、Illuminaとの競争、資本集約的な開発、知的財産、臨床診断への移行という5つの課題です。
7-1. 課題1:優れた装置を開発しても、顧客が乗り換えてくれない
2022〜2024年にかけて、Elementが直面した大きな問題は、装置を商用化できたことと、顧客に採用してもらえることが別の問題だったことです。
2024年のEntrepreneur誌の取材で、Molly Heは、AVITIの発売前には製品の性能と価格競争力だけで売れると考えていたことを振り返っています。[5]
しかし、実際には発売後に販売が鈍化しました。
NGSユーザーにとって、シーケンサーの交換は単なる装置の買い替え以上の意味を持ちます。
既存のライブラリ調製法、解析パイプライン、品質基準、過去データとの比較、トレーニング、実験の再現性、装置メンテナンス体制など、多くの要素を考慮する必要があるからです。
特に、既存機器を使い続けるリスクよりも、新興企業の装置に切り替えるリスクの方が大きく認識されがちでした。
この問題に対して、Elementは営業モデルを大きく見直しました。
対応策1:信頼をつくる
先進的な顧客や、業界で影響力を持つ企業を優先的に開拓し、実際の導入事例を構築しました。
また、専任営業組織を強化しました。
対応策2:顧客自身が性能を検証できるようにする
顧客のサンプルを使って実証し、既存のIlluminaデータと比較してもらう評価プログラムを用意しました。
取材当時、評価を経験した顧客の約半数が購入に至ったと説明されています。[5]
対応策3:移行の負担を下げる
既存のライブラリやワークフローとの互換性を改善し、ユーザー側の変更作業を減らしました。
この戦略転換は、同社が2023年に2,500万ドル超の売上を計上し、2024年初頭に160件超のAVITI商用注文を獲得した背景の一つと考えられます。[5][8]
ただし、その売上の増加を営業施策だけに帰属させることはできません。
ここから得られる重要な示唆は、新しい研究機器は技術性能の優位性を実証するだけでは採用されない、ということです。
顧客のリスクを減らし、導入に必要な仕事そのものを少なくすることが極めて重要です。
7-2. 課題2:Illuminaの巨大な既存顧客基盤との競争
2024年のSTATの報道によれば、当時Illuminaはシーケンシング市場の約80%を占め、23,000台以上の装置を稼働させていました。[6]
一方、Elementは同年5月時点で、約150台を25か国超に設置したと報告されていました。
AVITIの価格は当時約28万9,000ドル、比較対象となるNextSeq 2000は約33万5,000ドルと紹介されています。[6]
この状況から、装置価格の差だけで競合の既存市場を置き換えることには限界があったと考えられます。
Elementは対抗策として、価格だけに依存しない製品差別化を進めました。
2024年のAVITI24は、その象徴です。
既存のショートリードNGSだけで競争するのではなく、細胞イメージングと分子測定を一体化し、従来のシーケンサーとは異なる購入理由を生み出そうとしました。
これは、同じ機能の装置を安く売る競争から、実験で取得できる情報そのものを拡張する競争への転換と考えられます。
7-3. 課題3:資本集約的なハードウェア事業を継続する難しさ
NGS装置事業では、試薬やソフトウェアとは違い、試作機の完成だけでは商用化できません。
高い画像品質を維持する光学系、安定した流体系、精密な温度制御、試薬の長期品質、ロット間再現性、保守体制、量産時の歩留まりなどを確立する必要があります。
Elementは、早い段階から大型資金調達を行うことで、これらの開発を進めました。
2017年の設立から2022年の最初の商用シーケンサー発売まで、約5年を費やしています。
また、2022年に新本社を設け、製品販売開始後は供給・保守を含む商用オペレーションを拡張しました。[1][2]
これは、資金面・事業面で、開発と商用化の大きな壁を越えたことを示しています。
ただし、現時点の黒字化やフリーキャッシュフローの状況までは、公表資料から判断できません。
7-4. 課題4:知的財産と法的紛争
Illuminaとの競争は、特許訴訟や独占禁止法上の紛争にも発展しています。
2025年9月、ElementはIlluminaに対して、競争制限行為および特許侵害を主張する訴訟を提起しました。
Element側は、Illuminaが排他的な取引条件や値引きを利用して競争を妨げたと主張しています。
ただし、これは当事者の主張であり、違法行為が確定したという意味ではありません。
2026年5月には、米国の反トラスト訴訟で、裁判所が訴状の修正を許可しつつ却下を認める判断をしました。
したがって、この時点でElementが反トラスト訴訟に勝訴したと解釈すべきではありません。
一方、2026年7月には、ドイツのミュンヘン地方裁判所でIlluminaによるElement側の特許権侵害が認定されたと、Elementが発表しています。
判決の最終確定・執行状況については、別途確認が必要です。
さらに2026年5月には、10x GenomicsなどがAVITI24関連技術について特許侵害訴訟を提起しています。
Elementはその主張を否定しています。
これは重要な変化です。
Elementは、NGS分野ではIlluminaと競争し、シングルセル・マルチオミクスに進出するにつれて、10x Genomicsなどの知財領域とも接点が生じています。
技術領域を拡大すればするほど、特許のFreedom to Operate(FTO)、クロスライセンス、訴訟費用の管理が事業リスクとして重要になると考えられます。
7-5. 課題5:研究用途から診断用途への展開
研究用途(RUO)の機器と、診断用途(IVD)の機器では、要求される品質保証や規制対応が異なります。
Elementは、2026年6月にISO 13485認証を取得し、同年10月にAVITI Dxを欧州10か国で商用化しました。[2]
AVITI Dxは、EU IVDRに基づくCEマーキングを取得したClass A IVDシーケンシングシステムとして発表されています。
これは同社が研究機器メーカーから、規制下の臨床検査にも対応するプラットフォームメーカーへと進む重要な節目です。
ただし、装置がIVDとしてCEマーキングされていることと、個々の診断検査・臨床用途がすべて承認されていることは同義ではありません。
8. 事業の成果はどこまで確認できるか
Elementは売上高や設置台数を部分的に開示していますが、非上場企業のため、事業全体の財務実績を継続的に確認することは困難です。
公開情報から比較可能な主要指標をまとめると、次のようになります。
| 時点 | 公表された事業成果 |
|---|---|
| 2023年末 | AVITIの商用注文160件超、設置112台、売上高2,500万ドル超 |
| 2024年5月 | AVITI約150台を25か国超に設置 |
| 2025年7月 | AVITI24の設置が50台を突破 |
| 2025年通期 | 臨床研究が売上高の25%超を占めると2026年の投資家向け資料で説明 |
| 2025年通期 | AVITI24が新規装置受注の35%超を占めると説明 |
これらのデータは、Elementの事業構造が変化してきたことを示しています。[2][6][8][9]
まず、AVITI24が新規装置受注の35%超を占めたことは、DNAシーケンサー以外の新しい製品カテゴリーに一定の需要があることを示しています。
また、臨床研究が売上高の25%超を占めたという説明からは、初期の学術研究中心の利用から、より臨床応用に近い分野へ市場が広がっていることが読み取れます。
ただし、売上総利益率、継続的な試薬消費、装置稼働率、リピート購入率、営業利益、キャッシュバーンなどは十分に確認できません。
導入台数が増加したことと、事業が長期的に高収益化できることは別の問題です。
9. 全体を通じた分析:Elementはどのような企業に変化してきたか
Elementの歴史を見ると、単純なNGSスタートアップの成長とは少し異なる、3つの戦略的な変化が見えてきます。
9-1. 差別化の源泉が、シーケンサーの性能から実験の情報量に移った
Elementの技術的な価値提案は、以下のように変化してきました。
| 時期 | 価値提案 | 中心的な取り組み |
|---|---|---|
| 2017〜2022年 | Better sequencing | 精度・コスト・使いやすさを改善する |
| 2023〜2024年 | Better workflows | サンプル調製から解析までの負担を減らす |
| 2024〜2026年 | Richer biology | 遺伝子・タンパク質・細胞表現型の関係を捉える |
| 2026年以降 | Integrated research and clinical applications | 創薬研究・臨床検査に使われる技術基盤へ発展する |
この変遷は、ショートリードNGS事業から撤退するという意味ではありません。
むしろ、NGSのコア技術を維持・発展させながら、その上に異なる価値を持つ製品群を重ねる戦略と見るのが適切です。
この点で、Elementの進化は、装置の性能競争から研究ワークフロー全体、さらに生物学的情報の統合へと進む過程だと考えられます。
9-2. 最大の経営上の学習は「技術的優位性と市場での勝利は違う」ということ
Elementの事例で特に興味深いのは、創業者たちが技術には非常に詳しかった一方で、既存市場の顧客が新製品を採用する際の心理的・運用的な障壁を、当初は過小評価していたことです。[5]
同社はこれに対して、製品の性能向上だけでなく、顧客への実証機会の提供、移行負担の削減、業界で信頼される顧客の開拓、販売チームの強化を進めました。
この経験は、研究機器事業で新しい技術を実用化する際の一般的な教訓として重要です。
研究者にとっての製品の価値は、技術仕様だけで決まるものではありません。
実験系の安定性、既存データとの整合性、ワークフローの継続性、サポート体制、長期供給に対する信頼などが、採用判断に大きく影響します。
特にNGSのように研究全体の基盤となる装置では、その傾向が強いと考えられます。
9-3. 今後の競争軸は、装置性能だけでは決まらない
今後のElementを評価する際には、特に次の5項目に注目する価値があります。
1. VITARIの商用化とスループット経済性
100ドル・ゲノムという価格水準を、実際の稼働率や総保有コストまで含めて実現できるかが重要です。
単純なラン当たりの費用にとどまらず、研究現場でどの程度の経済性を提供できるかが問われます。
2. AVITI24/Cytosの実験上の優位性
同一細胞から得られる情報の深さが、既存のシングルセル解析やイメージング・スクリーニングに比べて十分な価値を持つかが重要です。
測定感度、網羅性、解析できる細胞数、コストなどを含めた比較が必要です。
3. Consumablesによる継続収益
装置設置台数の拡大が、試薬売上や安定したキャッシュフローにつながるかが重要です。
設置台数だけでなく、実際の装置稼働率や消耗品の継続購入状況にも注目する必要があります。
4. IVD事業の拡大
AVITI Dxが欧州でどこまで普及し、他地域の規制対応に進めるかが重要です。
研究用途から臨床診断用途への拡張が、事業の新たな成長源になるかが問われます。
5. 競争と知財リスクの管理
Illuminaや10x Genomicsとの紛争が、顧客採用・製品開発・事業採算にどの程度影響するかが重要です。
特に、シングルセル・マルチオミクスという新しい技術領域へ事業を拡張する上では、Freedom to Operateの確保が重要になります。
これらの結果によって、ElementがNGS市場の有力な代替メーカーにとどまるのか、あるいはマルチオミクスと臨床応用にまたがる幅広いライフサイエンスプラットフォーム企業になるのかが、より明確になると考えます。
10. Element Biosciencesの歩みから見えるもの
Element Biosciencesの約9年間の歩みを一言で表現すると、NGSの基本技術を再発明することで市場参入し、その技術を足場として、より複雑な生物学的解析市場に事業を拡張してきた企業だと言えます。
特に重要な転換点は、次の5つです。
2017年:事業構想の大型化
試薬開発を中心とした小規模な事業構想から、シーケンサー全体を再設計するという大きな挑戦へと方向転換しました。
2022年:AVITIの商用化
約5年間の開発を経て、独自のAvidity Sequencing技術を搭載した商用装置を発売しました。
2022〜2024年:販売戦略の転換
高性能・低価格という技術的な価値だけでは顧客獲得が進まないことを認識し、顧客による性能評価、移行負担の軽減、営業組織の強化に取り組みました。
2024年:AVITI24の発表
DNAシーケンシングの性能競争だけでなく、細胞の多様な分子情報と表現型を統合する方向へと事業を広げました。
2026年:VITARI・Cytos・AVITI Dxへの拡張
高スループットNGS、シングルセル・マルチオミクス、臨床診断という異なる用途へ製品群を拡張し、Samsungからの追加出資も受けました。
Elementが実証してきたのは、独自のシーケンシングケミストリーを商用製品にまで育て、既存大手が強い市場で一定の顧客基盤を築くことが可能だという点です。
一方、今後の課題は、拡大する製品群を収益性の高い事業として運営し、技術的な差別化を長期的な顧客基盤に変えられるかにあります。
この点については、まだ評価が確定していない段階です。
Element Biosciencesは、新規のライフサイエンス機器企業が、基礎的な化学技術の発明、装置開発、資金調達、市場参入、そして用途拡張をどのようにつなげてきたかを学ぶ上で、示唆の多い事例です。
単なるNGS装置メーカーとしてではなく、ゲノム科学の研究基盤がどのように変化し、生物学的情報の取得方法がどこへ向かっているのかを考える上でも、今後の動向に注目する価値がある企業だと考えられます。
参考文献
[1] Genetic Engineering & Biotechnology News, "Old Dogs, New Tricks: Element Biosciences Launches the AVITI," 2022. https://www.genengnews.com/topics/omics/old-dogs-new-tricks-element-biosciences-launches-the-aviti/
[2] Element Biosciences, "About Element Biosciences," 企業公式サイト・沿革・製品情報. https://www.elementbiosciences.com/about
[3] Sydney Sladovnik, "How a Genetic Science Startup Secured $406M in Funding, Starting With Just an Idea and a Few Sketches," Inc., 2024. https://www.inc.com/magazine/202404/sydney-sladovnik/how-a-genetic-science-startup-secured-406m-in-funding-starting-with-just-an-idea-and-a-few-sketches.html
[4] Arslan et al., "Sequencing by avidity enables high accuracy with low reagent consumption," Nature Biotechnology, 2023. DOI: 10.1038/s41587-023-01750-7. https://www.nature.com/articles/s41587-023-01750-7
[5] Entrepreneur, "Her Startup's Product Was Better and Cheaper Than the Competition's. Why Wasn't It Selling?," 2024. https://www.entrepreneur.com/starting-a-business/her-startups-product-was-better-and-cheaper-than-the/476505
[6] STAT, Element BiosciencesのCEO Molly He、AVITIシーケンサーおよびIlluminaとの競争に関する取材記事, 2024年5月14日. https://www.statnews.com/2024/05/14/element-biosciences-ceo-molly-he-aviti-sequencer-illumina-rival/
[7] Element Biosciences, 企業公式サイト・製品発表・ニュースリリース. https://www.elementbiosciences.com/about
[8] Element Biosciences, 2023年の売上高・AVITI設置台数および商用注文に関する会社発表, 2024. https://www.elementbiosciences.com/about
[9] Element Biosciences, "Element Biosciences Announces Upsized Series E to Accelerate Global Growth Across Ecosystem of Genomic, Multiomic and Clinical Research Solutions," 2026. https://www.elementbiosciences.com/news/element-biosciences-announces-upsized-series-e-to-accelerate-global-growth-across-ecosystem-of-genomic-multiomic-and-clinical-research-solutions
※ 本記事は2026年11月3日までの公開情報をもとに整理しています。